あの暑い 夏の記憶


葵ねぇはトラクターに駆け寄り、何やら耕にぃとお話していたと思ったら。

耕にぃが降りて来て、葵ねぇがそれに乗り込んだ。


「…げぇ~っ!葵ねぇが乗んのかよ~っ!!やべぇ~っ!耕にぃ!なんで変わったんだよ!?変われよ!!」

日夏は、耕にぃの作業着の裾を思いっきり引っ張りながら、大袈裟に怯え出した。


「アハハ!大丈夫だよ。大特免許持ってるし。俺が教えたんだから!」

耕にぃは暴れる日夏を押さえ込み、トラクターの方に顔を移し優しく笑う。


「いやだ~っ!引かれる~っ!!」

ジタバタと足を動かし逃げる体制を取る日夏。


「日夏!しっかり雑草取りしなよー!じゃないとひくぞー!」

葵ねぇはニカッと笑い、そう叫んだと思ったら、ゆっくりとトラクターを走らせた。


「何か…おもしろそー!」

と、旭がその後を追いかけるように、スキップしながら走って行った。


「…怖え~っ!あいつ…引かれるぞ…!」

この世の終わりだ~っ!と、日夏は叫び続けた。


もう…、いちいちうるさいんだから…。