今日から、葵ねぇとわたしたちは旭んちの手伝いなんだ。
「…どうせなら酪農の家に産まれたかったよ…、オレは!」
日夏は涙目になりながら、雑草をむしり取る。
「何でー?水産業のがいいしょ?だってー。…タコもカニも美味しいもーん!」
「オレはお前が羨ましいよ…」
わたしにいじらしそうな目を向ける。
「ほらほらー、牧村丸の跡取り息子!しっかり雑草取りしろよ」
わたしたちが顔を上げると、仁王立ちで見下ろしている葵ねぇがいた。
「けっ!札幌に連れてってくれないならずっと寝込んでろ~!スーパーヒーローになんてならなきゃ良かったぜい!」
「フフッ」
不気味に笑う葵ねぇは…、いつもより恐ろしかった。
「おねぇ…。スーパーヒーローのおかげでパワーアップだねー…」
旭は口角を引き攣らせて、葵ねぇから目を反らせないでいた。
「家でもあんなんだよ…。あれから、ずっとこんな感じだよね…」
わたしはヒソヒソと、旭に耳打ちした。



