「…豚もおだてりゃ木に登る」


「アハハ!そりゃいいや!」

わたしの発した言葉に、大笑いした耕にぃとは反対に、ふて腐れている日夏。


「なんだよ~っ!」


耕にぃはそっとわたしを見て、唇に手を当て。「しーっ」というポーズをした。

だからわたしも、小さく頷き「しーっ」と、同じポーズを取った。

わたしと耕にぃは口元を緩め、日夏に気づかれないように顔を見合わせて笑った。



「スーパーヒーローは宿題やらなかったり、お弁当に文句言わないんだよー!」


「心音はスーパーヒーローをわかってね~な~!」

日夏は偉そうに声を荒げた。


小屋に着くまでの間、得意になった日夏の“理想スーパーヒーロー談”を、バカにしながら聞いていた。