「あはは。ほんとに大袈裟だなぁー、日夏は」


「違うよ、耕にぃ!オレは大袈裟じゃなくて~!熱血スーパーヒーローだい!」

と、腕を振り回す。


「すごいのか、それ?」

耕にぃは目を丸くさせ、日夏を見る。


「すごいよ!めちゃくちゃカッコイイんだぜ!!」


「そうか、そうか」

耕にぃはそんなバカ日夏を、優しい顔で見下ろした。


「だか~ら~。葵ねぇの熱もオレにかかればイチコロだぜい!」

得意げになって、いつもの後ろ歩きをし出した。


「そいつは頼もしいなー?んじゃー、日夏マンが葵ねぇちゃんの熱を吹き飛ばしてくれ!」

耕にぃは日夏の顔の前で、親指を立てた。


更に偉そうに、日夏も同じことをした。

「おぅ!任せろよ、耕にぃ!ふふ~ん。耕にぃの看病なんかなくたって大丈夫なんだい!」


「耕にぃ…。昨日ねー、国語の時間でことわざ覚えたんだー!日夏のことだったんだねー」

日夏を遮り、わたしは嬉しそうに言ってみた。


「お?心音、どんなことわざ?」

耕にぃは笑いながら聞いてきた。