わたしと耕にぃが立ち上がったところに、タイミング良く日夏の声が聞こえて来た。

「…~い!お~い!!心音~!耕にぃ~!」


全速力で白いタオルを振り回しながら、わたしたちの元へ辿り着く。


「…ハァ、ハァ~!み、みんなが…。い、一服…、だ、だってよ~!!」

そこまで言い切ると、膝に手を付き、背中を揺らしながら息を吐いた。


わたしと耕にぃは、そんな日夏に申し訳さそうに笑う。

わたしたち3人は並んで小屋へと歩き出した。



「バカだね日夏?走って来なくてもさー、日夏ママに携帯電話借りて耕にぃにかければ良かったのにー。いつもそうしてるじゃん」


「…!!そっか~!その手があったか~…!お、オレとしたことが~!!」

日夏は悔しそうに頭を抱える。


「大袈裟だよ…」

そんな日夏にわたしは顔をしかめた。