あの暑い 夏の記憶


次の日。


わたしは金魚の糞みたいに、耕にぃの行く先行く先、くっついて歩いていた。

カボチャ畑からジャガ芋畑…小豆畑とちょこちょこ耕にぃの後をくっついて。


「…もう熱も下がったし、今日と明日、ゆーっくり寝てれば良くなるよ」

耕にぃは、わたしが不満そうな顔をしているからか、ニコッと笑顔で何度も同じことを繰り返す。


「もう葵ねぇちゃんは、大丈夫だよ」


「うん…。あのね…、耕にぃ。日夏には絶対言わないからっ!…耕にぃ…、葵ねぇのこと、…好きなの…?」

まだ模様が出てない小さなスイカを見つめながら、耕にぃに聞いた。


頭上から静かに耕にぃの声が降ってきた。


「…好きだよ。心音も日夏も旭もみーんな好きだよ」


「…違うよ!…お嫁さんにしてもいいくらい、…好き?」


耕にぃは隣にしゃがみ込むと、わたしの手の平くらいのサイズのスイカを撫でながら、落ち着いてゆっくり…こう言った。




「好きだよ…」