あの暑い 夏の記憶


2号に、とうきびの箱を積み込んで行く。

満載になった荷台を見て。


「よーしっ。行くか?」

と、耕にぃはわたしを助手席へと促した。


いつもは耕にぃだけ出荷に向かうのに…。

たまにはドライブもいいぞ?って。



向かった先は、市場でも農協でも何でもなくて。


見渡す限りの青い海。

敷き詰められた玉砂利。



耕にぃは適当に軽トラを止め、指を差した。


テトラポッドの前に座る人影。

青いTシャツが、海と空のブルーに溶け合う。



「行っといで…待ってるから」


「…耕にぃ?」


「葵が電話してくれたんだよ。最後に会っておいで」


わたしは頷いて、2号から降りた。


テトラポッドまで、石の階段を駆け上がる。

段差の先のスペースに、あぐらを組む日夏の隣に座り込む。



「眩しいよな~?…って…帽子被ってんじゃんかよっ…!自分ばっかし、ずり~なっ」

目を細めて、ニカッと笑った。