あの暑い 夏の記憶


日夏のおじいちゃんにおばあちゃんは、きっと喜んでいる。


でも…ここからいなくなっちゃうから…。

わたしはやっぱり…寂しいな。


「明日…父さんの実家に泊まって…そのまま行くんだ。だから…ここには明日までしかいれないんだって」


「え…?」

驚いて振り返ると、固い表情の日夏と目が合って。


真面目な顔から目線を反らせなかった。



日夏…今なんて?


自分の耳を疑って、もう一度聞いてみた。


「…明日までここにいて…戻って来ないんだ。最後なんだ…」

と、やり切れなさそうに口を開いた。



それを聞いたわたしは、何も言えなくなって黙り込む。



明日で…。


最後なんだ…。


日夏の言葉が頭に響く。



長い長い沈黙が続き。



息苦しく張り詰めた部屋に。


「日夏ー?みんなに挨拶しに行くよー!」

階下から、日夏を呼ぶ叫び声が聞こえ、意識が引き戻された。