あの暑い 夏の記憶


振り返ると、そこには1週間振りに姿を見せた日夏がいた。



握られた手の力が強くて。

いつの間にか、力がついていて。


いつの間にか、わたしよりも少し背が伸びて。

ちょっと前まで、力も背も、どっこいくらいだったのに。


1年足らずで何もかも追い越されて。



離してくれない腕の力に、歯痒くなる。



口を開く日夏を、見ていられなくなって、ギュッと目をつぶる。

聞きたくないっていう思いと。

何を言われるんだろうと、身構えるわたしの感情が交差する。


「ずっと…謝りたくて。行く前に…謝っておきたくて…。大嫌い…って…言って、ごめん…」

って、呟くように予想外の言葉を発した。


「それだけ…言いたかったんだ」

と、言った日夏はわたしの腕を離した。


目をゆっくりと開けると、視界には日夏はもういなかった。



あぁ…そっか…。


わたしは…日夏を意識するようになったんだ。


これが…“恋”って言うんだね。




わたしは…日夏が…好きなんだ…。