あの暑い 夏の記憶


被っていた帽子を取り、ハートの形の貝殻を外した。


『その貝殻は、こないだ来た時…ここで拾ったんだよ。なんかピンクだしっ…心音が好きそうだから…!そのピンクはお前で青がオレ…白いのはあいつらね』


あの日、日夏がそう照れながら言った言葉を鮮明に思い出させた。


貝殻を手の平に乗せて。



『だから~!やめろってその顔~っ!』


もうあんな風に笑ってくれないんだ。



そう思ったら。


じわじわと瞼が熱くなる。



唇をギュッと噛み締めて、零れ落ちそうになるものを堪えた。



泣かないよ。


こんなことくらいじゃ…。



泣かないから。


だから、もう一度笑ってよ?