あの暑い 夏の記憶


次の日に、畑仕事には出て来ても日夏は一言も喋らなかった。


作業の間にトマトやきゅうりを食べることもしないで。


休憩もお昼も小屋には一度も顔を現さないで。


ひたすら無言で、作業をこなしているだけだった。



「…日夏…少し休もうよ…?」

何度、声をかけても、返事すらしてくれなくて。

目も合わせてはくれなかった。


その度に、ズキズキと胸が張り裂けるような感覚を覚え。


その度に、目頭が熱くなるのを、必死で堪える。


自分の中で、そんなことを何度となくリピートさせる。




「あんな生気のない日夏、見たことない…」

そう呟いた旭は、肩を下げる。



いつもなら、イタズラばかりして。

騒がしくて。


うるさい日夏。



仕事中もゲームして、準くん相手に困らせて。


いつも怒られて。



わたしの真似して…。


ふざけてばかりいるのに。



こんなことは初めてだった。