あの暑い 夏の記憶


「でも…これが…命を助けてくれたのかもしれない」

と、葵ねぇはそれを拾い、ハンカチに包む。


そうだよ…。


日夏が作ったのは役に立たないものなんかじゃない。


一生懸命作ったから…。


日夏パパを助けてくれたんだよ!



わたしはわけもわからず、無意識に日夏を追いかけていて。

「日夏っ!!待ってよー!…あれがっ!日夏パパを守ってくれたんだよーっ!」


「うるさいっ!」


「あんなに…頑張って作ったんだからっ!!」


「…ついて来んなっ!!」

って言うだけで、振り向こうとしない日夏に追い付き、腕を掴もうとした。


またその腕を振り払われて。



「触んなっ!!…心音なんか…大嫌いだっ!!」

それだけ言うと、自分の家の方に走り抜けて行って。


もう追いかけようなんて考えられなかった。


わたしの胸がズキンッ。と、痛み出した。