あの暑い 夏の記憶


その日は、日夏も日夏ママも旭ママも、帰っては来なかった。


みんなは不安だけが募り、何をするんでも手につかず。

作業は思うように、はかどらなかった。



夜が明け、朝を迎え。

旭の家に集まっていたわたしたち。


旭ママに連れられて、暗い表情の日夏が帰って来た。


「耕樹くんっ。ちょっと留守の間、お願いね!」

と、日夏を残し、旭ママは簡単に支度をしてまた出て行った。



「…夜中に…意識が戻ったんだ…父さん」

と、日夏は聞こえるか聞こえないかくらいの声を出した。


張り詰めていた空気が緩み、みんながホッと一息ついた。


「良かった…命が助かって…」

「ほんと、良かったな…」

広じぃも旭パパも安心したような顔をした。



それを聞いた日夏は、悔しそうに唇を強く噛み締めて、ずっと足元に目を向けていた。



「日夏パパ…助かって良かったね?」

と、日夏の顔を覗き込むと。

わたしの腕をバッと払いのけた。