あの暑い 夏の記憶


ビニールハウスの雑草取りをしていた、日夏と旭に、葵ねぇのことを報告をする。


「なーんだ、おにぃはフラれなかったんだー。つまんなーいっ」


「いつの間に指輪なんて用意してたんだべな~っ。やっぱし耕にぃはスケベじゃんかよ」

2人は、耕にぃにはなぜか厳しかった。


「…でも、あの家に住むんでしょ?狭いんじゃないの?」


「うん、奥の部屋を直すんだって」


床に穴が空いているけれど、それを直せば部屋が2つになるから居間で寝るなんてこともないって。

早速、耕にぃがコンパネやベニア板でトントンやってる。


「…耕にぃが、直すんかよ…。業者呼べよな~っ、ほんとに直るのか?」


「…おにぃが野菜以外の物を作ってるのなんて見たことないよねー」

日夏も旭も、うたぐり深さをアピールしまくっている。


「あとねー!今日なんだって花火大会!だからみんなで行こうって!」

そうわたしが言うと、2人は両腕を挙げバンザイをした。