あの暑い 夏の記憶


30分の休み時間はあっという間に過ぎ、広じぃは軽トラで田んぼに向かった。

耕にぃは耕作機に乗ってとうきび畑。

日夏ママはビニールハウスへと歩いて行く。


わたしと日夏はその後ろを、ちょろちょろとふざけ合いながら着いて行く。


「どっちがたくさん採れるか競争しようぜ!」

得意げになりながら、後ろ歩きでわたしに言う。


「やだ!日夏は乱暴だからトマト潰すもん!」

頬っぺたを膨らませて反対した。


日夏は潰れてようとお構いないなんだ。


「つまんね~なっ!」

と、道端の苺を摘んで食べる。


つられてわたしもひとつ摘み取り食べた。


「うまいっ!」


「甘ーいっ!」


今日のお手伝いは、ちょっとだけ赤みがかったトマトの収穫。

熟したトマトは市場に出せないんだって。

だからまだちょっぴり、青くて形のいいトマトだけを採る。赤いトマトは朝市に出すんだよ。


熟したトマトは…。


「うめぇ!」


「日夏…汚い…」

果汁を服にこぼし、トマトをむさぼる日夏。


そう、真っ赤で熟しちゃったトマトは食べてもいいの!