「いずれは話すことだったんだ。心音に言わなかったのは…心音に離れて欲しくなかったからなんだ。心音が本当のことを知って、自分で決めて…目の前からいなくなるんじゃないかって…。
心音は、葵と一緒にいたくなかったか?おばあちゃんたちと一緒の方が良かったか?それとも…お父さんと一緒が良かったか?」
耕にぃが静かにそう話した。
わたしは…。
『この町から出て行きなさい!』
『心音は私が帰らなくてもいいんだ』
わたしは…。
それでも、葵ねぇと一緒で良かった。
本当のお母さんだったらいいなって思ってた。
わたしは…。
…葵ねぇと一緒がいい。



