あの暑い 夏の記憶


「葵ねぇは恐いんだぜ~。ビュンビュン2号で飛ばすんだぜ!」

止せばいいのに日夏が話を振り返す。


「それはあんたがまた葵ちゃんに余計なこと言ったんでしょう!あら~…離婚したの!?」

日夏ママはそんな日夏の相手よりも、ワイドショーに夢中。


「耕にぃにはもったいねぇよ~!耕にぃ~。もっと上品な女と結婚した方がいいからな!」


「なんだ?急に変なこと言って」

笑い飛ばす耕にぃはさすが大人だった。


「心音も葵ねぇみたいになってきたんだぜ!やだやだ~!オレの周りにいる女は気の強いやつばっかかよ!」


「それは日夏がいつもふざけてるからでしょ!」

わたしもつい興奮気味になる。


「にち?女は強い方がいいんだぞ~」


「なんでだよ広じぃ?」

わたしも日夏も、きょとんと広じぃを見つめる。


「家を守ってくれる強い女じゃなきゃな。耕毅の嫁はそんくらいじゃないと」

高々と笑う広じぃを不満そうに見つめる日夏は。


「耕にぃはどうなのさ?葵ねぇでいいの?」

と、聞いた。