「…心音!?」
「…日夏?」
足音と物音とうめき声、息を切らしてわたしを呼んだのは日夏だった。
「…やっぱし学校だったじゃん」
と、言うと。隣の席に座って話を続ける。
「みんな心配して捜してるぜ?帰ろ?」
「…やだ!!」
「葵ねぇ…家で待ってるから」
「…待ってないよ!!わたしが…いなければ…葵ねぇは…好きな人と幸せになれたのにっ…!!」
「…全然わかってね~なっ、お前っ。…葵ねぇはそんなこと…思ってね~よっ…。心音がいなかったら一番悲しいのは葵ねぇだっ!」
「そんなことないもんっ!!」
「そんなことなくないっ!あの葵ねぇが心音のこといらない子だって思ってるわけないだろっ!?それに…っ。
あの葵ねぇがいなければいいなんて子供を育てるわけねぇだろ!
そう思ってとしても…。あの葵ねぇが…、一緒にいるわけねぇだろっ」
日夏がそう言い切った後。



