あの暑い 夏の記憶


ちゃんと葵ねぇの見てたよ。


トマトは短冊切り、レタスは適当に、キュウリは輪切り、ニンジンとダイコンは千切り。

野菜たちをまな板の上でザクザク切る。


ドンッ、ドンッ…

「みっ、心音…やっぱしやめたほ~がいんじゃね~か!?」


「日夏うるさいっ!話かけないで!!」


「…だけど、何か…危ないって…お前、料理作ったことないじゃん」


「だから今やってるんだよ!あっち行ってよ!!」

わたしがそう怒ると、渋々とテーブルの前に座り直した。



ボールに盛り付けられたサラダは、葵ねぇのとは違って不格好だった。

葵ねぇに、出来たよ!と、サラダを差し出した。


「…あ、うん。ありがと…。うん、野菜美味しいよ」

レタスを口にして、葵ねぇは笑顔でそう言った。


わたしはぴょんぴょん飛んで喜んで見せる。

「わ~いっ!」


「…ただ切っただけじゃんかよ!!ドレッシングとかあるだろフツ~っ!」


「別に日夏に食べてなんて言ってないもん!」

ふんっ。と、そっぽを向いた。