耕にぃは、夕方になると葵ねぇに会いに病院に行く。

退院は月曜日に決まった。


そして、新しく働きに来る2人も月曜日に決まり。

原西両家が慌ただしくなった日曜日。


『あんたたち、片付けたりするんだから、どっか遊んで来なさい!』と、強制的に家から追い出された感じになり。


わたしたち子供は準くんちの牧場を訪れていた。

わざわざ準くんのお母さんが迎えに来てくれて。

準くんに似ていて、とても優しそうなお母さん。



広い牧草地に牛がいっぱい放されている。

「こんなに広いのに牛しかいない!!あの黒いのは?」
緑の平地に黒い塊の山が見えた。


「あれは牛の糞、堆肥だよ。肥料になるの」

そっか、牛の糞が肥料になるんだね。




牛小屋もたくさんあって、とにかく広い敷地には牛しかいない。


準くんちには牛が全部で80頭もいるんだって。

ホルスタインって言う種類の牛は白と黒の疎らでみんな模様が違う。


鼻に黄色いワッカがついている牛もいた。