あの暑い 夏の記憶


帰りの車で。


「葵ねぇは…。ずっと苦しいのに、…無理してたんだね」


「んー、葵は無理すんのが好きだから」


「…耕にぃは赤ちゃん嬉しい?」


「嬉しいよ。でも、そうだなぁー。…葵も心音も元気ならもっと嬉しいよ」


「…そうだね!葵ねぇ、…元気になるといいな!!」


「すぐ元気になって、心音たちみんなを追いかけ回すよ」


「それは…。やだなー」


「だから、心配いらないよ」


「うん!!…わたしの赤ちゃんの時ってどうだったのかなー…。写真とかはないって葵ねぇが言ってたから…。見てみたかったなー…」


「…心音は今もちっちゃいからなー。小さな赤ちゃんだったかもな」


「…葵ねぇの赤ちゃん見たいなー。ちっちゃいかな?」


「どうかな?」



わたしと耕にぃは、まだ見ぬ赤ちゃんについて話していた。


知らないことばっかりで、わたしはもっと、もっと赤ちゃんのことが知りたくて仕方がなかった。