あの暑い 夏の記憶


旭ママが、葵ねぇを見下ろしている。


「あなた、本当に知らないの?あなたに頼んだのよ?」

口調を荒くした旭ママは、本気で葵ねぇに怒りをぶつけている。


「…請求には来ませんでしたし、わたしもトイレに何度か行きましたが、…ここから動いてません」

床に目線を落としたままの葵ねぇの声は震えていた。


「やっぱりね。だから言ったのよ。よそ者なんてダメだって…。あなたでしょ!?あなた以外いないじゃないの!?」

耕にぃのママも声を張り上げて葵ねぇに詰め寄る。


「…違います!」


「嘘ついてもわかるのよ!」


「ちっ!違うよっ!!葵ねぇは…葵ねぇはそんなことしないよ!絶対しない!!」

わたしはたまらず、耕にぃママの前に割って入った。


「…子供は黙ってなさい!」

そう一斉した耕にぃママは、今まで見せたことのない顔でわたしを見た。


耕にぃも、旭ママも。


みんな、葵ねぇを睨み付けていた。