あの暑い 夏の記憶


お昼を知らせるサイレンに、わたしたちは熊手を投げ出した。


「今日は小屋来る?」

わたしは旭に何となく聞いてみた。


「うん、行くっ!」

わたしたちは、草の匂いたっぷりの旭パパと準くんの2人に合流して小屋を目指した。



小屋の前には耕にぃの2号が止めてあった。

久々に目にした軽トラに胸を弾ませる。


「あーっ!耕にぃだー!!」


「アハハッ!心音はおにぃが好きだねー!」

そう、からかう旭の声はわたしの耳に届かない。


わたしは走って小屋に駆け込んだ。

靴を脱いで、部屋に入ると。


優しく微笑んでいるはずの耕にぃが、いたことにはいたけれど。

わたしの予想とはかなり掛け離れていた。



わたしの顔も見ようとしなくて、じっと何かを見据えている。


そんな様子に、わたしは言葉をかけ忘れてしまった。


「…どうしたの?」

後から来た旭も、様子のおかしいのに気づいたみたいだった。