あの暑い 夏の記憶


牧草地の真ん中で、わたしと旭は休むことにした。


水筒の麦茶は、氷がカランカランと音を立て、その冷たさが飲まなくてもよくわかる。


「んー!冷たーいっ」


「…あれ?そういえばにっちは?」


「何か小屋から出て来ないんだー。葵ねぇと直さん見て、怖ーい顔してる」


「変なの!」

と、旭が笑い出した。



「旭は、…準くんが好きなんでしょ?」


「え?や、やめてよ急に!」

慌てながら麦茶を口に流し込む顔は、明らかに動揺している。


「だってさ…」

旭はどっからどう見ても、準くんが好きだよ?


「優しいから!優しいからだよ。好きっていうか…、お兄ちゃんみたいな感じ!!あんなお兄ちゃん欲しかったんだー。あたし!」

そう早口に、一気に話し始めた。


「お兄ちゃん…?」

旭の顔をじっと見つめた。


そんなわたしから目を反らした旭は。

「そうっ!お兄ちゃんってこんな感じなんだろうなーって!」

旭パパと準くんがいる方を見て、そう言い切った。