牧草の刈り取りに視線を奪われる。
颯爽と走り回るトラクター。
「草のいい匂いだね!」
「さっ、休憩だぜ~!」
日夏はわたしの問い掛けを無視して小屋に入り込んだ。
「もう!そういうことだけは早いんだからー!!」
わたしたちが小屋に入ると、またいつもの葵ねぇと直さんの2人がいた。
「今日も暑いぜ~っ」
「草刈り日和だね!…あれ?旭たちはー?」
「準くんと木陰で休むって」
葵ねぇはそう言いながら、ジュースの缶をわたしたちに差し出す。
「ったくよ~っ!コソコソしやがって」
と、プシュッとジュースのリングプルを開けた。
「あんたがいるからじゃないのー?」
サイダーをゴクゴク喉の奥を鳴らしながら飲んで、ニヤッとしている葵ねぇにこう言った。
「…違うって~!あいつが恥ずかしがってんの~」
と、また一口含む。
缶の中でシュワシュワとサイダーが弾く。