あの暑い 夏の記憶


そんなわたしたちの前に暗い影が出来て、視線を移すと、葵ねぇが空を見上げていた。


「…みーんな、同じ空の下にいるのに、…不思議だねぇー…。ん?もうお昼だよ?なかなか昼になっても日夏が来ないから迎えに来た」

わたしたちに振り向いてニヤッと笑う。


「えぇっ!?もう昼!?昼のサイレン聞こえなかったっ!!こうしちゃいらんね~っ!」

ガバッとものすごい勢いで立ち上がり、まだ座り込むわたしに。


「早く行こうぜい!早くしないと心音の分も食べるぞ!」

嫌な含み笑いを浮かべた。


「…いつも食べてるしょやー!!」

わたしも勢いよく立ち上がり、葵ねぇと日夏の後を続く。


「葵ねぇ?産直でたくさん売れたか?」


「ん?売れたよたくさん!完売したから早く帰って来れたよ」


「…そっか!」


「よかったー!」

わたしも日夏も完売という言葉に嬉しくなった。


「何なの?」


「何でもな~い」

声を揃えるわたしたちに。


葵ねぇは、眉をひそめて変な顔をした。