あの暑い 夏の記憶


「暑っ。…生気吸い取られる。…マジ暑い…」


「ちょっと休もう?」


額から流れ落ちる汗を拭いながら、モワッと熱気がこもるビニールハウスを出ると、涼しい風に包まれる。



木陰に大の字に寝転んで。

「…デカイ」

空を仰いで呟いた。


「へ?」

わたしも、同じように草の上に仰向けで寝転んだ。


昨日の雨が嘘のように、雲一つない澄んだ空。


天には見事にキレイな青色が描かれている。


「…こんな空を見ると、オレらの悩みなんてちっぽけだな~」


「え?日夏にも悩みあんの?」

「いや~、オレじゃなくて耕にぃが言ってたんだけど。確かにそうかも知れないな~…」


「うん…。耕にぃ、…悩んでるのかなー」


「あの2人バカだもんな~っ。さっさとくっついちゃえばいいのによ~っ。大人はめんどくせ~なっ…」


「……」


大人になったらもっと大変だって、葵ねぇが言ってたことを思い出す。


絵の具で青く塗られた一面画用紙のような空はわたしたちを包み込む。