「耕にぃ?恋って何?」
『…何気ない仕草とか。何気ない行動。何気ない言葉。色んなことにドキドキすんの』
って、葵ねぇが言ってた。と、言うと。
目を見開いてわたしの瞳の奥を覗き込んだ。
「んー。恋かー…。その人の顔が常に頭から離れなくて。いつも相手のことを考えてる。何も手がつかなくなる。それが恋かなー?」
「ドキドキする?」
「するする!心臓バクンバクンって言うぞー」
「楽しい?」
「楽しい。嬉しいし、恋しい。もっと色んな顔を知りたくなるんだよ。ちょっとしたことに悩んで、落ち込んで。恥ずかしくなる。悲しくて苦しくなるし。相手が気になるのはもうそれは恋だよ」
目尻を緩めて話す耕にぃは、恋をしている人の顔をしていた。
「そっかー。恋って大変なんだね!耕にぃも葵ねぇに恋してる?」
「恋より、…愛かな」
表情を変えることなく、耕にぃは優しくそう言った。



