あの暑い 夏の記憶


わたしはふと日夏に目を向けると、嬉しそうに大人たちに混じり、談笑している日夏パパを見ていた。


「葵ちゃん、昆布巻きあるかい?」


「あ!ありまーすっ」


「悪いね。今度網にかかったカニでも持ってくな」


「おじさんの昆布最高ですよ!」


昆布巻きを出して来た葵ねぇに、顔をくしゃっとさせる日夏パパ。



日夏パパがお誕生会に参加したのは始めてだった。


何かあれば常に一緒にいる、広じぃや耕にぃのママに耕にぃ。日夏ママに旭ママと旭パパ。


日夏パパだけが、その場にいないから、変な違和感を覚える。


旭パパとお酒を交わす日夏パパは、いつもの恐々とした表情を崩して笑っていた。



「…日夏?日夏パパ来て…良かったね!!」

ニコニコしているわたしに、眉を歪めた日夏はすぐにニコニコして。

「あぁ…そうだな!」


お土産に買ったおつまみに手を付け、普段は見せない日夏パパの笑顔に、とっても喜んでいた。