そっと静かに笑うだけで、教えてくれない耕にぃに。
「やっらし~んだっ!」
と、日夏は白けた声を発した。
でも、その日の夜眠る前に見えた。
昼間は作業着の中にかくれんぼしていた。
葵ねぇと耕にぃの首元に光る、何も飾られていない太いシルバーのチェーンが揺れていた。
「日夏?あんたちゃんと言うこと聞いてたの?おとなしくしてた?」
怖い顔で焦る日夏を睨む日夏ママに。
「日夏ママ!日夏、静かにしてたよ!騒がなかったよー」
わたしは、日夏の代わりに答えた。
それを聞いて日夏は。
「オレを誰だと思ってんだい!」
得意になって、身を乗り出した。
日夏が言うことを聞いて大人しかった。
と。そんな事実に、みんなは異常なまでに驚いていた。
お土産屋さんで。
『雨降れば、日夏パパもお誕生会来れるのに…』
『雨降んね~かな…』
…わたしと日夏の願いが通じたのか。
夜遅く降り出した大雨は、次の日の朝が来ても降り止まなかった。