あの暑い 夏の記憶


おばあちゃんは、目を潤ませわたしを抱き寄せる。

「こんなに大きくなって…。田舎で不自由してない?大丈夫?…ごめんなさいね…」


おばあちゃんが泣いている理由も、葵ねぇの目線が空の上なのも。今日がお母さんたちの命日なのも。


わたしには意味がわからない。



「…たまには家に帰って来たらどうだ?何て言ったか、あの男連れて」


「…そうよ。あなたったら一度も顔見せないで!あの人とはどうしてるの?」


「別にどうにも?では、急いでますので…」


葵ねぇはおっかない顔で、わたしと日夏を引っ張りその場を去った。



引っ張られながら振り向いて見ると。


引き止められなかったことを、後悔しているかのように。

ただ、わたしたちを見ていた。



厳格そうなおじいちゃん。

上品そうなおばあちゃん。


それが、初めて2人に会った時の印象だった。