あの暑い 夏の記憶


お母さん…、お父さん…。

わたし元気だよ。

毎日、楽しいよ。



わたしを産んでくれてありがとう。



…そっと手を合わせ、目を閉じた。




ザザッ…。

砕石の擦れる音に振り返る。



バツが悪そうに立ちすくむ葵ねぇと、おじさんとおばさんが目を釣り上げ、開いた口がふさがらない。と、言わんばかりに見ていた。



「…毎年来てんのは、お前か?」

しっかりとした口調でおじさんは葵ねぇに聞いた。


「…そうなの…?あの人じゃなかったの…」

がっかりとした面持ちのおばさん。


「命日なんだから、いてもおかしくないだろ」

未だ戸惑いを隠せないでいる葵ねぇにおじさんが口を開き。


「…もしかして。…心音ちゃん…?」

おばさんがわたしの顔を覗き見る。


「…私の両親。心音、挨拶」

わたしにも目を合わせず、腕を掴み2人の前に立たせた。



突然現れた、わたしのおじいちゃんとおばあちゃんに。

「…こんにちは」

恐る恐る挨拶をした。