あの暑い 夏の記憶


「お、お尻から血が出てる!!み、心音!?大丈夫かっ!?」

日夏は、力を込めてわたしを揺さぶってくる。


「…え?」


お尻の方を見ようと、振り向こうとしたわたしの手を握る葵ねぇは困ったように。


「これは初潮だよ。心音?お腹、何ともない?」


「う、うん…?」

わけのわからないわたしはキョトンとしていた。


「社長!?何?社長って!?」


取り乱す日夏を押さえ。

葵ねぇは歩道の前から、わたしと日夏をビルの一角に連れて来た。


「…初潮って言うの。月経ってわかる?…んー…。生理は?」


わたしも日夏も首を左右に振る。



「女の人が赤ちゃんを生む準備を体の中でして、それが必要なく使わないよーって排出物を出すの。それを月経って言うの。個人差はあるけども…。10歳から14歳の間に初めてそれが来ることを初潮って言うの。わかる?心音?」


…赤ちゃん。

生む準備…。


「…怖いっ!怖いよー」

わたしは首を振り葵ねぇに泣きついた。