あの暑い 夏の記憶


札幌時計台の前で、写真を撮る葵ねぇに。


「昨日から写真ばっかし撮らされてんな~?」

日夏がうんざり顔をする。


「ふふっ。いいじゃん!思い出だもーん」


「…JRタワーに、ホテル前だべ~。地下鉄でも撮ったよな?」


「スクランブル交差点でも撮ったよ!ドラマみたいだったー!」




時計台の前に立たされ、遠く離れた葵ねぇに。

「笑いなっ!」


いつまで経っても笑わない日夏に、痺れを切らし声を張り上げる。


日夏は作り笑いをして見せ、仕方なしにピースをした。



「次はどこー?」

わたしは葵ねぇの元に走りだす。


「次はー、大通公園!テレビ塔!…?日夏ー行くよ?」

葵ねぇは眉にシワを作り、日夏を見下ろした。


「…心音!?」

いきなりわたしの腕を掴む。


「へ?」


「…血が出てる!!」

日夏は青く顔色を変える。


「え…?…どこから!?」

葵ねぇも青ざめ慌てふためく。



でも、わたしはどこも痛くなかった。