この心臓が錆びるまで



「私の身体は大丈夫だからさ、ちょっとそこの公園寄ってこ?」


 薺が指差す先には、緑の生い茂る公園があった。

 踏み切りをこえて左手の公園の入り口を潜り抜けると、緑の世界が広がっていた。

 公園というよりはウォーキングコースといった感じで、煉瓦の敷かれた一筋の道が先の見えない向こう側まで続いている。そこには、犬を連れたおばさんやジャージを着こなし走るおじさんの姿が目立っていた。

 その道の周りには芝生がひかれていて、ピクニック広場のようになっている。奥には、ブランコも置かれていた。


「あ!」


 薺もブランコを見つけたのか、声をあげるとそのブランコに向かって走っていった。

 保健室登校をする程身体が弱い筈なのに、そんなに走って大丈夫なのかと怒ってやろうかと思ったが、薺はもうかなり前にいて、叫ばないと届く距離じゃ無かったのでやめた。

 小さくなる背中を見ていると自然と顔が綻ぶ。俺は仕方なく自転車をひいて、薺のもとへ向かった。

 公園の時計の針は、4を指していた。