プリンス君家の7日間




「これ。」



と手渡されたのは…



「借りてた赤いハンカチ。ありがと。」




あたしはハッとする。

涼の右手を見直すと、やっぱりV型の傷がある。


じゃあ、このハンカチは……。



「ちゃんと、返したから。
俺に出来るコトは、もうこれくらいだからさ。」






そう笑うと、「圭人も頑張れよ」と帰って行った。




「…………」


「…………」





暫し、沈黙が続いた。