「…忘れられるって、悲しいよな。」 意気なり話しだして、元来た草むらに帰ろうとする。 空を見れば、いつの間にか夕方の空になっていた。 「ね、ねぇ!」 あたしは咄嗟に呼び止める。 「…どういう、意味?」 『忘れられるって、悲しいよな。』 「…明日香、覚えてねぇのかよ。 『渡辺、涼を。』」