―……カンっ たった一人も通らない、廊下に響いた物音。 綺麗に鳴ったそれは、窓に跳ね返り床に落ちた。 ふと、その物音がした方を見た。 ―……硝子の猫… 「圭人、あれ。見て。」 あたしは圭人を揺さ振り、指を差した。 「ぇ……あれ。」 その硝子細工の猫は、幼い頃に夏祭りで買った小さな置物だった。 ちゃんと、圭人は水色 あたしはピンク そして、涼は緑で。 そこに落ちている猫の置物は、緑色だ。