葉山が落ち着いてから、取りあえずアド交換をして別れた。
教室に向かって、一人、斜めに差し込むオレンジの光のなかを進む。
あの時は"手伝ってやる"なんて調子のいいこと言ったけど。
今思うとなんか変な気分になる。
娘を嫁に出す時って、こんな感じの気持ちになるんだろうか。
それとも。
あんなに思ってくれるやつがいて蕾のことがうらやましいのだろうか…。
なんだか分からないけどムシャクシャする。
胸騒ぎまでしてるし。
これはたぶん。
今までこういうことがなかったから、慣れてないだけだ。
きっとそうだ、と言い聞かせて。
ごちゃごちゃする思考を頭の隅においやるように小走りで走って、蕾が待つ教室へと向かった。
