葉山の話しが途切れると、今度は指が食い込んできそうなほどの力で肩を握られた。
「葉山…っ」
ひょろ長な体型からして運動部には入っていなさそうに見える。
なのにすさまじい力だ。
肩が軋み始めたのに驚いて、痛みに思わず声が出た。
「見てただけの幼なじみのために、なんでそこまで我慢でするんだろうって。俺、考えたんだ」
うつ向いていた葉山の顔がゆっくりと上がってくる。
「で。数日たってから知った。 同じ日、火傷して救急車で運ばれてきた7歳の男の子がいたってことを」
どきん、と心臓が跳ねる。
同時に、背中にある傷跡が疼いた気がした。
「橋本くん、体はって守ったんだね。蕾ちゃんのこと」
ぽつりとそう聞こえた頃には、葉山の顔は完全に上がっていた。
そして久々に視線が交わる。
「でも。思ったんだよ。 守るならなんでもっとちゃんと守れなかったんだって。」
蕾ちゃん結局ケガしちゃってるし、と付け足し。
またモナリザみたいな顔をしながら言った。
左右で違う表情を作り出すそれは、俺を混乱させる。
