胴回りに回されたその腕を振りほどこうともがくと。
まるで蛇のように、締め付ける力がどんどん強くなっていく。
コルセットを付けたみたく内蔵系の位置が変化しそうになると、さすがにやばいと思った。
執念深く絡みついてくるハヤマの腕をばしばし叩いて降参のサインを送った。
逆にそれが抵抗しているふうにとらえたのか、まだ締め付けをやめないハヤマ。
「降参っ」
口に出すと、ようやく伝わったようで。
「逃げなければこんなことしなかったのにー」
と言いながら、俺の胴回りから腕を離した。
「で。なんか用あんのかよ」
何の用もないのにこんなことされたとあったら。明日から本格的にハヤマを避けようと思った。
「うん、まあ…」
力強く締め付けてきたわりには、なんだか話しづらそうなハヤマの声。
俺は足をあぐらにして床に座りなおし、正座で姿勢よく座っているハヤマと向き合った。
「あのさ、あのお…」
「何」
視線を落としぎみにして、伸びきってべろべろになりつつあるカーディガンの袖をいじりながら話すハヤマ。
もう部活は基礎練が始まる頃で。
なかなか答えないハヤマがもどかしくてしょうがなかった。
