踊り場まで上がったものの。
どうしたらいいか分からずに「平気?」と声をかけて上履きを渡す。
「う、うん、大丈夫」
上履きを履きつつ、女子はそう答える。
立ち上がるのかと思って少しの間様子を見ていたけれど。
どうやら自ら立ち上がりそうもない。
そしてまたそうせざるを得ない状況になり、冷えている手を差し伸べた。
ためらいがちに伸びてきた女子を掴んだ瞬間、ふと今まで蕾にしかやったことがなかったと気づく。
陶器みたいな、透き通るように白い手。
まるっこい爪には自然な光沢があって。
冷え性だって言うわりにはあったかいあの小さな手。
いつもこの手で掴むのはそんな手で。
でも今自分の手が触れてるのは、綺麗に整えられた爪が並ぶ冷たい手。
女子を立ち上がらせると、無意識にすぐに手を離していた。
そしたら、勢いよく引っ張られ急に支えをなくした女子の体がふらついた。
無意識とは言え、手を離したことに少し罪悪感を感じて。
踊り場から足を踏み外しそうになった女子を抱き抱えるように支えた。
