相談に乗ってくれた観月に恩を仇で返したようで、胸がチクチクと痛んだ。
校庭を一望できる、中央玄関から差し込むささやかな光を目指しながら、胸元の襟を鷲掴んでその痛みを和らげようとした。
「イタイ…」
ぽそっと呟くと、その場に膝を付きそうになった。
胸の痛みがこめかみに移動してきて、だんだん全身に広がっていく。
下駄箱を支えに倒れかかると。
磁石がくっつきそうな素材でできている下駄箱はバンッと音を立ててあたしを受け止めてくれた。
なんとか150センチぴったりの背で、一番上の自分の下駄箱に手を伸ばす。
背伸びをすると、膝の骨がキシキシと軋んだ気がした。
たぶん。この痛さは、観月に対する罪悪感からのものじゃない。
なんかもっと違うもの。
さっきまでなんともなかったのに。
突然のことで自分の体に何が起きているのかまったく分からなかった。
そんな身震いするほど寒くはないはずなのに、全身が震えて鳥肌が立つ。
靴を掴んだ指がコントロールできなくて、他人の体を操作しようとしてる感覚になった。
