「まあ、仮にあたしの大切な人がそんな悪い女にひっかかりそうになってたら、"やめときな"って言うけど」
言って、観月は足を組んでその上で頬杖をついた。
大人っぽい仕草にちょっと見入ってしまい、目をしばたたいて慌てて目線を逸らす。
そして階段下を見つめたまま聞いた。
「理由も、全部話す?」
「もちろん」
ふふん、と言わんばかりな顔をして、観月はそう言いきった。
「好きな人が出来るとその人の情報集めるでしょ? だから、集まった情報をどう解釈するかは自分次第。」
「じゃぁ、包み隠さずサクに全部話していいんだ」
「うん。咲之助くん脳みそつるつるでもそれぐらい考えられるでしょ」
「そっか。うん」
迷いがなくなったところで早速咲之助に話したい。
まだ部活をやってる時間だから、校庭に行けば玉蹴り最中の咲之助に会えるはずだ。
