靴を脱いで敷かれたすのこに乗り上げる。
しゃがみ込んで脱いだ靴を拾って立ち上がると。
「あ…」
数メートル離れたところに咲之助が立っていた。
衣替えになってもしばらくはワイシャツ姿だった咲之助が学ランを着ていて、なんだか新鮮だった。
「学ラン…」
つい心の声が口に出てしまった。
「は?」
それに対して咲之助の反応は相変わらずで、眉間にシワを寄せると不機嫌そうにそう言った。
「学ラン…似合ってるね」
何を言っているのか自分でも分からない。
ただ、心臓がとくんとくんと脈打って、寒かった体がぽかぽかとあったかくなっていくのははっきりと分かった。
「…ふっ」
咲之助は突然吹き出すと、不機嫌だった顔が一瞬にして笑顔になった。
目をぎゅっと瞑って口を引き結んで、込み上げてくる笑いを堪えてるみたいに見える。
「お前、変わってないな」
目まで笑みをたたえて、笑い声混じりに咲之助は言う。
その笑顔に見つめられると、もっとどきどきが早くなった。
