大人になれないファーストラバー







――あたしを大切に思ってくれる人から逃げて、逃げて。

一人になることを決めた。


そんなことを繰り返したら、きっとあなたや君も愛想つかすのでしょう。



だから。幸せになって。
あたしではない誰かと―




「さよなら」と告げながら、あたしは手を伸ばす。





『行かないで。置いてかないで。』




声にならない本音は、浮かんでは沈み、やがて暗く静かな眠りのふちに溶けていった―…。