大人になれないファーストラバー




こんな朝早くに、なぜタケちゃんは今ここにいるのだろう。

人のこと言えたもんじゃないけれど、こちらには文化祭の準備と言う理由がちゃんとある。








「で?」





ふいにタケちゃんにそうふられた。

話の流れもまるで無視なその問いかけに、ただ目を丸くするしかなかった。


"それはどういうこと?"と目で訴えているのに、タケちゃんはしばらく静止したままで。どうやら返事を待っているようだ。




あたしはさらに首をかしげてみる。

そうするとようやく伝わったようで、





「こんな朝早くに何しちょる?」




と、もう少し細かく問うてくれる。
あたしは、ああ、そう言うことかと、納得した顔で頷いて見せた。





「ああ、実は文…」



「まさか文化祭の準備で夜を明かしたとか言わんだろうなあ」



「え」





タケちゃんの表情が険しくなった。
あたしは思わず一歩後ずさる。