「…なにかあった?」
顔を覗き込んでくる観月。
いちごミルク味の飴でも舐めてるんじゃないかってほど甘いにおいがふわっと香ってきた。
「咲之助くん?」
余分な単語を省いて、「原因は咲之助か?」って聞いてくる観月。
サバサバとした性格によく似合う無駄がない質問だなと思う。
「…1/5がシンデレラ、あとの4/5はサク。」
「それ、ほとんど咲之助くんのせいじゃん」
「うん。でも全部じゃない」
「ふーん、そっかそっか」
「あ。やっぱり全部あたしのせい」
「そうなの?」
「うん」
全部あたしのせい。
改めて口にすると、再び目に涙がぷかぷかと浮かんでくる。
そんなあたしに観月は驚くでもなく、あたしの頬に当てていたその手で頭を撫でてくれた。
