大人になれないファーストラバー



このまま運動でもし出すんじゃないかって。
そんなジャージ姿に唖然とした。





「かっこい?」





腕なんか捲りあげながら、相変わらず余裕そうな観月。
何事にも動じないその姿勢、うらやましく思ったり、そこは心配しようよと思ったり。

今日は後者のような気持ちで、夏の朝がよく似合う爽やかな姿の観月を見つめた。





「あ、うん。似合うね。」




似合ってないわけじゃないし、かっこいいと言えばその通りなんだけど。
いいのだろうか、こんな自由な感じで。




あたしが座ってる机の隣に立って笑い続けてる観月を、心配の眼差しで見ていると。


いきなり観月の顔が真顔になった。


そして、





「蕾、言いにくいけど、なんか今日寝癖すごいよ。」



と、ぼそりと言った。
それに対してあたしは「やっぱり」と何も驚くことなく答える。




「髪とかしてこなかったから」



「とかそうよ、女の子でしょう」




今度は観月が心配そうな眼差しであたしを見つめた。