翌日。
今日も10時頃から補習が始まった。
昨日はあれから、びしょびしょになった制服を乾かすために足だけ水につけて、しばらくプールサイドに留まった。
パシャパシャと、足で水面に波紋を作る音だけが響いていた。
遠くの山に沈む夕日が綺麗で。それに劣らず、観月の横顔も素敵で。
会話すらないものの、あたしは夏の夕暮れを味わっていた。
今朝は朝顔の咲く道を歩いて学校へ行った。
少しだけ早く家を出れたから、近道は通らずに。
最近はまったく別行動の咲之助とはまるで会うこともなく、補習に行くのも当然一人ぼっち。
いつも咲之助の後ろに乗って自転車で通学してた時とは違って、まわりの景色はゆっくりと流れていった。
やがて学校に着き、いつもの窓際の席に落ち着くと。
それからあまり間を置かずに観月が教室に入ってきた。
そして、はたと観月の異変に気付く。
「アヤ、そのかっこう…」
「あ、これ、昨日結局制服乾かなくってさあ」
と。なんの問題もなさそうに軽く笑ってる観月。
そんな観月の今日の格好は、紺色の上下で。
袖とズボンの横には白いラインが入っていて、なかなかスポーティーなジャージだった。
